Tricker’s | 英国カントリーブーツの伝統を守るトリッカーズのカントリーコレクション
英国カントリーブーツの特徴は、多少の雨なら対応できるアッパー素材に、水の侵入を防ぐストームウェルト。そして、堅牢なオールアラウンド・グッドイヤー製法。くわえてソールは分厚いダブルソールがお約束。これらはいずれも舗装されていない道や野山を長時間歩くための仕様であり、ルーツをたどれば英国貴族がハンティングの際に履いたブーツに由来しています。
当時、ハンティングは貴族の娯楽であると同時に軍事訓練でもあったため、長時間着用しても疲れにくく、悪路での安定した歩行性が求められました。くわえて、狩場には水辺やぬかるみが多いことから防水性は必須。こうした「タフさ」を受け継いだのがトリッカーズのカントリーブーツなのです。
悪路を歩くための高い耐久性と機能性
英国靴の伝統では、内羽根はドレスシューズ。外羽根はカントリーシューズのディテールだといわれています。これは外羽根なら長時間の歩行で足がむくんでも、シューレースによる調整がしやすいという実用的なメリットがあるからです。
また、堅牢なダブルソールも元来はカントリー仕様。それから、かかと周りまでアウトステッチが1周したがオールアラウンド・グッドイヤー製法は、かかとにコルクを敷きつめられるので、よりクッション性に富んだ靴に仕上げることができ、さらに、ヒールリフトも大ぶりになることから、歩行時の安定性がさらに高められます。
いっぽう、カントリーブーツは外見とともに木型にも特徴があります。カントリーブーツの木型は悪路でバランスを崩しても足指をひろげて踏ん張れるよう、トゥの形状が大きめのシェイプになっています。くわえて、ヒールの高さもドレスシューズにくらべて低くなっており、これにより足にかかる負担が軽くなるのです。
雨が多いイギリスの天候に対応した防水性
伝統的なカントリーブーツのアッパー素材には、クロム鞣しのボックスカーフやグレインレザー、ワックスドカーフなど、多少の雨なら対応できる革が使われます。トリッカーズの場合はモールトンに採用されているシーシェイド・ゴースレザーがそれで、多少の雨でも気後れなく履くことができ、汚れもつきにくい革です。
さらに、ウェルトがL字型になったストームウェルトは、アッパーとソールの接合部から水の侵入を防ぐための仕様です。ちなみに、カントリーブーツに見られるブローギング(アッパーにメダリオンやパーフォレーションの穴飾りが施されたデザイン)の起源は水抜き穴であったそうです。
カントリーコレクションの主要モデル
モールトン #2508
もともと羊飼い用のブーツとして作られたというモールトン。アッパーはシーシェイド・ゴースレザー、ソールはコマンドソール、木型はフィッティング6の幅広モデル。80,000円(税別)
ストウ #5634
モールトンと木型、デザインは同じながら、フィッティング5の標準幅モデル。ソールはレザーもしくはダイナイト。80,000円(税別)
バーフォード #5635
モールトンと同じフィッティング6の幅広木型を採用したプレーントゥのバーフォード。汎用性の高いシンプルなデザインです。80,000円(税別)
グラスミア #6895
バーフォードと同じ木型とデザインながらトゥキャップに2本のステッチが施され、ソールはコマンドソール。80,000円(税別)
ヘンリー #2754
傷が目立ちにくいウイングチップパーフォレーションを備えたサイドゴアブーツのヘンリー。こちらもカントリーコレクション。80,000円(税別)
お問合せ:トリッカーズ青山店 TEL.03-6805-1930