コンフォートラストの最高峰。オールデンのモディファイドラスト
オールデンの傑作木型“モディファイドラスト”は、オーソペディックシューズ(ハンディキャッパー向けの矯正靴)に由来する「フットバランス」ラインの1モデルで、オールデン独自のフィッティング理論を体現する象徴的存在でもあります。今回はこのラストの傑作たる所以をひも解いてみたいと思います。
ルーツはハンディキャッパー用矯正靴のラスト
オールデンは1884年に米マサチューセッツ州ミドルボロウにて、チャールズ・H.オールデン氏によりビスポークシューズメーカーとして創業します。1950年代にはオーソペディックシューズの生産を開始。1962年にオーソペディックシューズを作っていた会社を買収するのですが、この会社から引き継がれたのがモディファイドラストだったのです。
このラストは1930年代にオーソペディックシューズ用に開発されたもので、典型的なハンディキャッパー用のラストでした。このラストの形状を一般向けに『改良』して現在のモディファイドラストが完成。ちなみに、ラストの名前は、この『改良=モディファイド』に由来しています。
1日中履いても疲れにくい「履き心地」を生み出すフォルム
歩行時は重心が絶えずインサイドに向かうのが理想なのですが、疲れてくると重心が段々とアウトサイド寄りになり、余計に疲れを感じることになります。そのためモディファイドラストは、トウがインサイドに著しく屈曲したシルエットになっていて、強制的に重心がインサイドに向かう構造になっています。また、モディファイドラスト採用のモデルが装備しているのが、アーコヒールと呼ばれるラバー製のヒールで、内踏まず側前方に張り出した形状により、内踏まずを支え、歩行による疲れを軽減するのに一役買っています。
くわえて、既製靴とは思えないほど内踏まずが吊り上がっており、これによりアーチが包まれるように支持されます。
これらにより、ハイアーチやハンマートウ、O脚、X脚、フラットフット、などといったトラブルを抱える方であっても、足が安定する位置に納まる、非常に汎用性の高いラストであり、これらが傑作木型と呼ばれる所以なのです。
モディファイドラスト採用の定番6モデル
オールデンがモディファイドラストを採用した靴を製作したのは1963年のこと。当時流行していたUチップのパターンを採用にした通称Vチップが最初のモデルでした。モディファイドラストといえばVチップといわれるのはこのためなのです。
モディファイドラストは世界的に人気ですが、日本人の足に相性がいいこともあり、特に日本にファンが多いラストです。ここでは同ラストを採用した日本で展開される定番モデルを紹介します。
お問合せ:ラコタ TEL.03-3545-3322