モコ ルームシューズ

リモートで仕事ができるようになり、家にいる時間が増えてきた。その追い風を受けて売れているのがスリッパだ。スリッパといっても安価なものではなく、職人が作る高級スリッパだ。今回紹介するのはSANAXの「moco(モコ)」という革製スリッパで、機能性も文句ない。とくに「除電」(特許取得済み)、「抗菌・防臭」の機能があること。さらに耐久性、防音性、滑りにくさを実現している。

除電はミッドソールに炭素繊維と銅繊維を使用することで、体に帯電している静電気を放電させる機能があり、血液の流れを正常に保つことができるという。履いているだけで血行が良くなり、足が軽やかになる優れものなのだ。抗菌・防臭機能はスリッパに織り込まれた銅糸(銅繊維で作った糸)による効果だ。銅といえば排水口のゴミ受けに使われたりするほど抗菌作用があることはよく知られている。

さて、このスリッパの発案者である髙橋直道氏はSANAX代表であり、45年間靴作りを続けている職人だ。20歳で靴業界に入り40歳で独立。これまで有名ブランドの靴を手掛けてきた実績をもつ。そのためこのmoco(モコ)も靴と同様に木型から制作。そのためスリッパの断面も足の断面と同じく内側に傾いたフォルムに仕上がっているのだ。

スリッパ作りのきっかけは40年前に世界的に有名なブランドから依頼されたスリッパを手掛けたことに始まる。その後も髙橋氏は高級スリッパを作り続け、今では医師や弁護士など愛用者も多く、その品質の高さが認められ天皇家に納めている。moco(モコ)は皇室御用達ブランドなのである。

このスリッパの魅力は前述した機能性だけではない。最もスリッパに適した革選びにも多くの時間を費やしてきた。鞣し工程から染色に至るまで何度も繰り返し試した末に、理想の革に辿り着いたのだ。外側に厳選された美しい牛革を、内側に柔らかな馬革を採用することにより、足に馴染みやすく、吸水性に優れた履き心地を提供しているのだ。底面には歩行時の滑りにくさと音を抑えるために、最も丈夫な起毛した豚革を使っている。3種類の革を要所に使い分けることで、耐久性、防音性、滑りにくさ、さらに美しさを実現しているのである。

スリッパだと考えると安い値段ではないが、ここまでこだわった高品質なスリッパは他にはないだろう。カラバリも豊富なので男女間の贈り物にもおすすめしたい。

モコ ルームシューズ
moco(モコ)
ルームシューズNO.4501(除電) 30,800円、イニシャル有り33,000円。
※注文が殺到し現在3か月待ち
カラーはグレー、ネイビー、ブラック、ブラウン、キャメル、レッドの全6色。サイズは紳士用(S~LL)と婦人用(S~L)で展開。
お問合せ:ワールド フットウェア ギャラリー GINZA SIX TEL.03-6263-9991 wfg-net.com

文:倉野 路凡