エドワード グリーン ウェントナー
英国靴ブランドのなかでも常に人気の高さを誇るエドワード グリーン。名作Uチップの「ドーヴァー」やストレートチップの「チェルシー」もいいが、気楽に履けるローファーも魅力的だ。

この「ウェントナー」は現在展開しているローファーの「ピカデリー」と同じ♯184ラストを採用したローファーだ。英国靴らしいクラシックなラウンドトウをもち、ややショートノーズで、全体的にスマートなシルエットのラストだ。着用すると甲部分がしっかりホールドされ、歩行時の安定感と安心感を与えてくれる。ちなみに人気のローファー「デューク」は♯137ラストを採用するローファーで、ウィンザー公の名に由来する端正な佇まいが特徴だ。ラストの違いを履き比べても面白いだろう。
 
さて、この「ウィントナー」はアッパー素材にスエードを配し、その柔らかさを生かすように内側はアンライニング仕様になっている。そのため履き心地はとてもソフトで快適そのもの。スエードの色はmole、つまりモグラ色のことで、美しい明るめのブラウンと滑らかな感触がとても上品だ。一見するとシンプル過ぎて単調になりがちなデザインだが、アッパーのステッチワークとコバのナチュラルカラーがポイントになって、美的なバランスをとっている。
特筆すべきはアウトソールがレザーではなくラバー仕様になっている点だ。独自に開発した「R1ソール」を採用するメリットは大きい。通常のレザーソールと変わらないシングルのラバーソールのため、厚みは控えめ。ソールで上品さを損なっていないところが素晴らしい。高いグリップ力により滑りにくさを実現しているため、この季節に多い急な雨にも対応できる一足だ。ジャケット＆パンツのオンスタイルにも良し、休日のデニムスタイルにも合ってしまう、汎用性の高いローファーだ。
EDWARD GREEN（エドワード グリーン）
VENTNOR（ヴェントナー）　139,700円（税込）
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文：倉野 路凡